第88回 セイタカアワダチソウの冤罪

<第88回> 2024年 11月20日 R.I

毎年のように、気候の変動による様々な変化を体感していますが、今年は秋の花粉症に悩まされた方も多かったのではないでしょうか?
私はスギ花粉とダストアレルギー持ちなのですが、秋にも眼のかゆみ、鼻水などの症状がでました。そこで秋の花粉症を調べていたら、関連して興味深い記事を見つけました。

春のスギ花粉にならび、秋の花粉症で筆頭にあがるブタクサ。
そのブタクサに似ていることで、不名誉な扱いを受けているのが、セイタカアワダチソウです。河川敷などに一斉に咲く黄色い植物といえば、イメージできるかと思います。繁殖力が強すぎて、厄介者扱いされている側面もありますが、花粉症の原因と誤解されていることが多いようです。
インターネットで「ブタクサ」を画像検索すると、「セイタカアワダチソウ」の写真が沢山でてきてしまうのも誤解を広めている要因かもしれません。
見分け方のポイントは葉っぱの形にあります。
ブタクサは、菊の葉のようなギザギザ型
セイタカアワダチソウは笹の葉のようなシュッとした形をしています。

                                       (*1)

セイタカアワダチソウは、ハチなどの虫によって受粉する虫媒花で、風で花粉が飛んで受粉する風媒花ではありません。花粉も比較的重く飛びにくいため、花粉症とは無関係だといわれています。
そんなセイタカアワダチソウ、入浴剤にするといいそうです。9月下旬から10月上旬くらいまでの、黄色い花が咲く直前のつぼみの状態が、一番効果が強い時期だとのこと。
入浴剤は、つぼみの状態の9月下旬ごろのものを、頭から30cmくらいを切って、一晩程度風通しのいいところで干して乾燥させます。それを布袋に入れて口をしばり、水から沸かすタイプのお風呂にじっくり浸けておくのがベスト。
お湯の温度は、野草の酵素が活性化する40度前後までにしておくとその効果も高いようです。(*2)

今年は、つぼみの時期を逃してしまいましたが、来年入浴剤にトライしてみるのも楽しそうです。
また、染物の染料にもなり、使用する触媒(銅や鉄、アルミニウムなど)にもよりますが、黄色の染物が比較的手軽に楽しめます。

今回群生しているセイタカアワダチソウを調べてみたら、アレルギーの原因と思い込んでいたことが間違いであることがわかりました。おそらく同じ生息エリアにアレルゲンを持つイネ科植物等が多い為に誤解が加速したのだろうと考えられます。
河川敷や道端に咲いているセイタカアワダチソウを見つけたら、ぜひ葉っぱに注目して見てくださいね


(*1)出典 [ブタクサ] 八ヶ岳中央高原四季の森 |四季の森ニュース|四季の森だより https://www.alpico.co.jp/shikinomori/news/2020/08/post-293.php (参照日2024/10/31)

(*2)出典
イシダヨウコ.[セイタカアワダチソウ]嫌われ者の”雑草”は実はとっても使える薬草でした|キク科アキノキリンソウ属|エバーグリーン
https://love-evergreen.com/evergreenpost/post/5904 (参照日2024/10/31)