第72回 入眠スイッチ=入眠儀式

<第72回> 2023年7月12日 E.Y

新型コロナウィルスでの制限が緩和され、コロナ前のような日常が戻ってきました。
忙しい日々に追われて心身ともに疲れている方も多いかもしれませんね。
今回は良い睡眠のカギとなる「入眠スイッチ=入眠儀式」についてお話したいと思います。
突然ですが、皆さんは夜ベッドに入る前に、「入眠儀式」として何かしていることはありますか?
「入眠儀式」とは、眠りにつきやすくするために行う習慣のことです。儀式というと大袈裟になるかもしれませんが、小さなお子さんがいるご家庭では、寝かしつけのために添い寝をしながら絵本の読み聞かせや子守唄などが「入眠スイッチ=入眠儀式」として用いられているかもしれませんね。
この「入眠儀式」は、私たち大人にも有効で読書やストレッチ、ぬるめのお風呂に入るなど、寝る前の習慣をルーティン化することで良い眠りへと導いて睡眠の質も高めます。
ワコールでおこなったアンケートによると、82.4%の人が「睡眠スイッチといえる行動」をもっているそうです。具体的には「トイレに行く」、「歯を磨く」、「パジャマに着替える」などでした。どれも普通のことのようですが、この中でも寝つきをよくするための「入眠儀式」として「着替える」という行動がとても大きな意味を持ち、自律神経が関係してきます。
自律神経は覚醒モードで優位になる「交感神経」と、リラックスしているときや睡眠時に優位になる「副交感神経」の2つがあり、1日を通して必ずどちらかが優位になっており、両者のバランスが適切に保たれることがとても大切です。自律神経は自分の意思で直接コントロールできませんが、バランスが整うように働きかけることは可能です。
良い眠りにつくためには、覚醒モードの交感神経からリラックスモードの副交感神経へスムーズに切り替わることが重要で、寝る前の習慣を「入眠スイッチ=入眠儀式」としてルーティンを決めておくと、安心してリラックスした快適な眠りへと導き睡眠の質も高まり自律神経のバランスも整ってきます。

おやすみ前のおすすめの習慣
・ぬるめのお風呂に入る
・パジャマに着替える
・軽い読書
・静かな音楽を聴く
・お気に入りのアロマを楽しむ
・軽いストレッチ
・常温のお水を飲む
・カフェインが入っていない温かい飲み物を摂る
(白湯、ホットミルク、ホットココア、甘酒、ハーブティーなど)
・部屋の明かりや温度をコントロール
・気持ちを落ち着けてゆったり過ごす

おやすみ前には控えるべき習慣
・寝酒
・カフェインの摂取
・食べてすぐ寝る
・熱いお風呂に入る
・スマホやパソコンを見る

入眠スイッチ=入眠儀式は、人それぞれ違います。自分にあった寝る前の習慣(入眠スイッチ)を見つけて快適な眠りで朝を迎えたいですね。

(参考)眠れなくなるほど面白い 自律神経の話 日本文芸社
    Tarzan 自律神経を整える マガジンハウス
    ワコール ポータルサイト すやすや部 
    無呼吸ラボ フィリップス・ジャパン