第41回 アニサキスに気をつけて新鮮なお魚を食べましょう!

<第41回> 2020年12月7日 R.H

 アニサキスという寄生虫を知っていますか?アニサキスの幼虫は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。

 アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生や不十分な冷凍または加熱で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入してアニサキス症を引き起こします。多くが急性胃アニサキス症で、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。刺身や寿司など生鮮魚介類の生食を嗜好する食習慣と強く関連することから、多数の症例が国内で発生しています。過去3年間のアニサキス症の発生状況は、平成29年が242人、平成30年が478人、令和元年が338人です。

 アニサキス幼虫に対する効果的な治療薬はありません。治療に関しては、胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を摘出します。

 アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動します。ですので、お魚を購入する際は新鮮なお魚を選び、また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内蔵を取り除いてください。内臓は生で食べず、目視でアニサキス幼虫を確認して取り除いてください。-20℃で24時間以上の冷凍か、70℃以上または60℃なら1分の加熱をしてください。一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。

 激しい腹痛があり、アニサキス症が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。生魚を食べるときはアニサキスに気をつけましょう!

(参考)
厚生労働省ホームページ