第3回 ISO15189の認定を取得して

<第3回> 2017年6月16日 情野千文

(昨年度のことですが)
 ISO 15189認定の拡大審査を受け、生理学的検査項目が認定に追加されました!

 東北大学病院検査部/輸血・細胞治療部は2011年4月にISO 15189の認定を取得しましたが、2015年、ISO 15189 の認定範囲に新たに生理学的検査が加わったため、当センターも合わせて審査を受け、2016年11月、生理学的検査を含んだ認定を取得することができました。
(ISO 15189臨床検査室認定番号:RML00610号)
現在の生理学的検査の認定項目は、呼吸機能検査のうち肺気量分画測定、フローボリュームカーブ、心電図検査、超音波検査、脳波検査です。

 ISO 15189の規格は“患者の診療に不可欠な医療情報を提供する”臨床検査室の品質の向上と臨床検査室の実力を認定するための国際基準を提供する目的で作成されたもので国際的にも臨床検査室の認定基準として広く受け入れられています。
 この規格の認定に際しては、非常に厳しい第三者評価をクリアする必要があります。
認定取得には、検査部長・検査室管理主体の主導のもとスタッフ全員参加で取り組み、かつその後の維持継続まで視野に入れた活動をしていくことが望まれます。

 認定取得の道のりは大変なものでしたが、確実に検査の質は向上しました。組織を構築し、日常の作業の曖昧だった点を明確化し、文章化して業務の標準化を行います。さらに作業記録を残し、日々の作業の見直し・改善を行っていくことで、結果としてリスクの軽減・コストの低減というメリットに繋がります。
 “臨床検査室”としてのこのような活動は、病院内での信頼と地位を向上させることに繋がります。

 今後、認定を取得したのはいいけれど、維持継続していかなければならず、それはまた大変なことです。しかし、品質保証された検査結果を臨床医に提供し、充分に信頼性を得ていることの意味はとても大きいと思われます.
 認定維持することにより、①良質な臨床検査の結果が患者の診断と治療、病気の予防に貢献し、②臨床治験や国際共同研究にも利用され、③教育面でも効果を上げる、大学病院の役割である「診療・研究・教育そして社会貢献」に大きく役立つことでしょう。