第6回 神経生理検査における専門資格について

<第6回> 2017年9月1日 S.A

 臨床検査技師が取得できる資格には認定心電検査技師(日本不整脈心電学会)や超音波検査士(日本超音波学会)のように、各種専門学会で実施されている認定制度によるものが多数あります。
 神経生理検査(当センターでは脳・神経機能検査部門が担当)に関して言えば、この分野において日本では非常に大きな学会である日本臨床神経生理学会が「神経学的補助検査(診断目的の患者検査)あるいは研究のために臨床神経生理検査を実施する者について、基本的に重要な知識と技術を有することを日本臨床神経生理学会が認定し,検査あるいは研究の質を保証し,かつその水準の向上を目指す」ことを目的とし、2006年に「認定技術師制度」が開始されました。
 開始当初3年間は移行期間とされましたが、現在では試験制度に基づき資格を取得することになります。因みに、2016年度に認定制度に関する規則が改められ、「認定技術師」から「専門技術師」へと名称が変更になりました。
 専門技術師は分野によって、「脳波分野」と「筋電図・神経伝導分野」の2分野に大別されます。審査内容は症例報告および各専門問題60問と神経生理の基礎・ME問題20問の計80問の筆記試験で、これらに合格すれば「日本臨床神経生理学会 専門技術師」として認められることになります。(資格がないとこれらの検査に携わることが出来ないというわけではありません)
 当センターのスタッフもより専門性を高めプロフェッショナルを目指して積極的に資格の取得を行っています。
 また、この認定制度の新たな一分野として「術中モニタリング」が加わることが決定したという話もあり、最新情報の開示が待たれるところです。
 心電図検査や超音波検査などと比べて神経生理検査は携わる人数が少ないため、この資格の取得者は多くはないのが現状です。だからこそ持っていたらカッコいいと思いませんか?
 興味を持った方はぜひ日本臨床神経生理学会のホームページをご覧ください。