第12回 夜はぐっすり眠れていますか。

<第12回> 2018年3月6日 井手佐紀子

 今回は、睡眠に関する話をしようと思います。みなさんは夜、ぐっすり眠れているでしょうか。眠れている!と答えた方は、朝はすっきり起きることができるでしょうか。
最近テレビ等で睡眠負債や閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)などの言葉をよく耳にします。いびきをかいていたり、息が止まっていたり。自分のパートナーに当てはまることはありませんか。

 OSASとは、名前の通り、寝ているときの上気道の閉塞により、繰り返し呼吸が止まってしまう状態です。呼吸停止持続時間は10~30秒がほとんどですが、人によっては1分以上持続することもあります。主訴は日中の過度な眠気やいびき、倦怠感、起床時の頭痛などです。多くはベッドパートナーの指摘により発見されます。
 無呼吸は通常、睡眠から一時的に覚醒して終了します。ほんの一瞬覚醒してまたすぐに睡眠に戻るということが睡眠中に何度も起こるので、本人はぐっすり眠ったつもりでも実際はあまり眠れていないのです。

 また、最近ではOSASが高血圧の重大な因子であることが示唆されています。高血圧は動脈硬化、血栓形成につながり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクとなります。OSASを放置する期間が長ければ長いほど、合併症を伴う危険性も高くなります。合併症を避けるためにもきちんとした診察や治療が必要です。

 睡眠は1日の3分の1を占めています。睡眠を改善することにより、より意欲的にいきいきと元気に生活することができると思います。日中の眠気やいびきが気になる方、もしくはパートナーに指摘されている方は一度専門医を受診することをおすすめします!


引用、参考図書
睡眠障害国際分類第2版 診断とコードの手引