第15回 信頼されるデータ提供を目指して

<第15回> 2018年5月30日 工藤由美子

 清々しい初夏を迎え、木々の緑も日増しに深くなってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は、初めて実行委員長を務めた研究会が、多くの先生方のご協力で無事に終わり、ほっとしているところです。

 さて、先日の研究会では、「頸部血管超音波の標準的評価法」について北播磨総合医療センターの濱口浩敏先生をお招きしてご講演いただきました。頸部血管超音波については第14回のコラムをご参照下さい。

 皆さんは、病院や検診で検査を受けた際、その検査結果が本当に正しいか、信頼できるデータかどうかについて、考えた事はあるでしょうか。せっかく受けた検査も、計測方法や得られた情報の評価方法が間違っていたら何の意味もなくなってしまいます。
 そのような事がないように私たちが行う超音波検査にはそれぞれの分野で標準的評価法やガイドラインがあり、それに基づいて検査を行い、評価を行っています。この標準的評価法やガイドラインは医学の進歩、最新の知見などにより数年ごとに改定されますので、それに準じた検査や評価を行う必要があります。

 ここだけの話ですが、実は検査の手順や超音波画像の撮り方は決まっていても、撮影した画像には撮影者の個性が少し出てくるようです。「これ誰が検査したの?」撮った画像を見て、“これ私が撮ったのじゃないな”、“私かも?”とか“〇〇さんぽい画像だな”と思う事があります。超音波検査に携わっている人の“あるある”ではないでしょうか。もちろんそれで評価や結果は変わる事はありませんのでご安心下さい。

 私たちの提供する検査結果がより信頼されるよう、また検査機器や施設によっての格差がなく受診される方々が安全で、安心に検査を受けられるように当センタースタッフは努力してまいります。