第33回 年末年始の病気に気を付けましょう

<第33回> 2019年12月16日 松本 彩那

 あっという間に令和元年も終わりを迎えようとしています。これからの時期、クリスマスや忘新年会、お正月など楽しみなイベントがたくさん控えているという方も多いと思いますが、例年救急出動件数が1年の中で最も多いのはこの時期なのをご存知でしょうか。

 冬季に救急要請が急増する原因の1つとして、以下のような急病・事故の多発が関連していると考えられています。

①風邪やインフルエンザなどの冬季に流行する病気の発生
特に抵抗力の弱い乳幼児や基礎疾患をもつ高齢者は重症化しやすいため、十分な予防対策と体調の管理が大切です。

②忘年会、新年会などにおける急性アルコール中毒
急性アルコール中毒は例年12月に最も多く搬送されています。これは忘年会やパーティーなど、飲酒の機会が多いためと思われます。
搬送人員は男女ともに20歳代が多く、次いで男性は60歳以上、女性は30歳代が多くなっています。グループで飲酒する場合は、一緒に飲んでいる周囲の方も節度ある飲酒について注意を払うことが大切です。
また、20歳未満の若年層も多く救急搬送されており、保護者や指導者が飲酒しないように教育していくことが必要です。

③餅を喉につまらせたことによる窒息事故
東京消防庁管内では、平成24年から平成28年までの5年間に、餅をのどに詰まらせて、542人が救急搬送されています。
特に高齢者(65歳以上)が多く、約9割を占めています。
お正月には、餅を食べる機会が増えるので、注意が必要です。

④寒暖差によるヒートショック
1年を通して最も寒い季節であるため、お風呂場やトイレなどの寒暖差のある場所でヒートショックを引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞で搬送される方も多くなります。

 くれぐれも羽目を外しすぎないように気を付けて、楽しい年末年始にしましょう!

参考:東京消防庁ホームページ