第35回 睡眠の話

<第35回> 2020年2月5日 E・Y

まだまだ寒い日が続いていますね…
突然ですが、皆さん、睡眠は十分とれていますか?朝の目覚めは良いですか?
眠くて毎朝起きるのが辛い…寝た気がしなくて日中眠気がある…という方もいるのではないでしょうか?ぐっすり眠れた朝ってとても気持ちが良いですよね。
そこで今回は「睡眠」についての話をします。
ヒトが眠っている間に意識や体内の様子がどうなっているのか、疑問に思った人たちは、昔から多くいました。脳波が発見されてはじめて睡眠の様子を記録することができるようになり、睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、一晩に3~5回交互に出現することがわかりました。さらに、研究が進み脳の視交叉上核には生物時計があり、睡眠覚醒のリズムをつくっていることもわかりました。
睡眠には、心身の疲労を回復する働きがあり、睡眠が量的に不足したり、 質的に悪化したりすると睡眠と覚醒のリズムが異常となり、健康上の問題や生活習慣病のリスクが高くなったり、睡眠障害となって現れたりします。
厚生労働省の研究班では、健康づくりのための睡眠指針・「より良い睡眠のための12箇条」という報告書を出しており、「睡眠の質」に関する科学的知見を収集して検討を始めていますので、紹介します。

~睡眠12箇条~
1. 良い睡眠で、からだもこころも健康に
2. 適度な運動、しっかり朝⾷、ねむりとめざめのメリハリを
3.良い睡眠は、⽣活習慣病予防につながります
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
5.年齢や季節に応じて,ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
7.若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎⽇⼗分な睡眠を
9・熟年世代を朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠
10.眠たくなってからふとんに⼊り、起きる時刻は遅らせない
11.いつもと違う睡眠には、要注意
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専⾨家に相談を

睡眠の長さや深さ、眠る時刻は、個人差があります。
質の良い睡眠とは眠りから目覚めた後に、疲労回復感があり、日中に眠気もなく心身共に元気に働くことができる、それが質の良い睡眠が取れていることになります。
睡眠について正しい理解や知識を持ち、質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整えましょう。

参考文献
厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」

参考図書
「睡眠障害の対応と治療のガイドライン」
「睡眠障害診療ガイド」
「好きになる睡眠医学」
「睡眠学Ⅱ」