<第45回> 2021年4月6日 三木 未佳
口腔乾燥症(ドライマウス)とは、何らかの原因により唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥した状態になります。高齢化社会を迎え、口腔乾燥の症状を訴える患者は増加しています。
以下の症状がある方は、口腔乾燥症(ドライマウス)かもしれません |
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・口の中が渇く ・むし歯や歯周病にかかりやすい ・水をよく飲む ・入れ歯が装着しにくい ・食べ物が飲み込みにくい ・入れ歯で歯茎を傷つける ・喉の渇きで夜中目が覚める ・歯垢がたまりやすく、口臭がする ・口の中がネバネバする ・会話がしにくい ・味覚がおかしい ・乾いた食べ物が噛みにくい ・食事がおいしくない (飲み込みにくい) ・口の中や舌が痛い、ヒリヒリする ・唇が乾燥し切れる |
【口腔乾燥症の原因】
*薬剤の副作用 *全身疾患(糖尿病、シェーグレン症候群など)
*ストレス *放射線治療 *加齢 *生活習慣 など
2020年12月22日から、生理検査センターで新しい検査が実施されるようになりました。「顎機能検査」です。これまで歯科の外来で行っておりましたが、生理検査センターに新しく検査室を設け、移設されました。「顎機能検査」にはいろいろな種類があり、その中に「唾液分泌量検査」があります。名前の通り、唾液の分泌量を測定する検査で、口腔乾燥症の診断の一助になる検査です。
口腔乾燥症は、口腔内の自浄作用や抗菌作用が弱まり、虫歯や歯周病にかかりやすくなるほか、全身疾患が関与している可能性もありますので、症状が気になる方は歯科の受診をお勧めします。
参考文献
柿木保明:口腔乾燥症の病態と治療:日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 7 : 136-141, 2015