第27回 禁煙のすすめ

<第27回> 2019年6月5日 内藤 敬紀

 ここ数年、禁煙や分煙に関する話題を多く目にするようになりました。昨年の7月には改正健康増進法というものが成立し、2020年より望まない受動喫煙をなくすための取り組みが義務となりました。たばこに対する世間の目は厳しくなってきており、喫煙者の方にとっては今後ますます不自由な世の中になって行くのではないでしょうか。しかし、禁煙したくてもやめられないという方はたくさんいらっしゃると思います。

 皆さんご存知とは思いますが、喫煙をすることにより全身様々な部位のがんや心筋梗塞などの循環器系の病気、呼吸器系の病気、糖尿病、出生児への影響など、さまざまな悪影響を及ぼします。また手術を受ける際、禁煙をしていないと術後の傷の治癒の遅延や感染症などのリスクも高くなります。

 

 

 では、どのようにして禁煙に臨めば良いでしょうか。禁煙外来による治療は通常12週間行い、その間に5回の診察があります。初回の診察ではニコチンの依存度測定、治療計画、禁煙補助薬の選択などを行います。その後定期的な診察で経過観察を行い、問題があれば改善し、禁煙を安定させて行きます。この12週間のスケジュールを全てこなした人のうち、禁煙を継続できている人は約50%と、2人に1人は成功しています。

 たばこをやめることができれば、ご飯がおいしく感じたり、出費が減って他のことにお金が使えたり、周りの人への受動喫煙がなくなったりします。また、禁煙生活が長くなれば、病気のリスクは低下していき健康状態に近づきます。たばこはまさに「百害あって一利なし」です。ぜひこの機会に一度禁煙を考えてみてはいかがでしょうか。

(参考)
厚生労働省 たばこと健康に関するページ
ファイザー すぐ禁煙.jp