第18回 気を付けましょう!コンタクトレンズの使い方

<第18回> 2018年9月5日 坂本美佳

 みなさんはコンタクトレンズを使っていますか?
 使用している方は装用方法を守って安全に使えているでしょうか。

 近年では酸素透過率の高いレンズが発売されており、眼鏡からコンタクトに変える人も多いと思います。しかし、コンタクトレンズは便利である一方、使い方を間違えると様々なトラブルを招きかねません。今回はソフトコンタクトレンズについてお話させていただきます。

 コンタクトレンズの装用時間は長くても1日12時間までと言われており、装用可能時間には個人差があります。この時間を超えて装用を続けると、今は何ともなくとも将来的に眼のトラブルに発展してしまう可能性があります。
 コンタクトレンズの使用により起こる障害として、①角膜(黒目)に傷が付いて起こる角膜上皮障害、②角膜の酸素不足による角膜内皮障害、③涙液の分泌が減少して起こるドライアイの主に3つが挙げられます。このうちコンタクトの長時間装用によって生じやすいのが角膜内皮障害です。

 角膜も私たちと同じように呼吸をしています。しかし、角膜自体には血管がないため涙から酸素を取り込む必要があります。コンタクトレンズのように角膜を覆うようにぴったりと張り付いていると、酸素の受け渡しがしづらくなります。また、レンズを付けたまま寝てしまうと、さらに酸素不足は深刻になり角膜は呼吸困難の状態となってしまいます。このような不適切な装用を続けてしまうと、角膜が白濁し最悪の場合失明してしまうことも…。
 特に角膜内皮細胞は、一度減ると二度と再生することのないとてもデリケートな細胞です。角膜内皮細胞は、裸眼の場合でも加齢とともに少しずつ減少していきますが、無理なコンタクトレンズ装用が続くと一気に減少スピードが上がってしまいます。痛みなどの自覚症状はほとんどないため、気づいたときには重大なダメージを負っている場合もあります。

 痛みや充血が出ると眼科に行かなきゃ!という気持ちになりますが、大切な眼を守るために、コンタクトを使用していない方も普段から定期的に眼科で検査を受けるよう心がけましょう。