第67回 アニサキス

<第67回> 2023年2月13日 S

私は食べることが大好きです。お寿司も刺身も何でも大好きですが、技師になるための勉強で寄生虫を学んでからアニサキスには気をつけてなまものを食べる習慣ができてしまいました。私がはじめてアニサキスに出会ったのはイカの刺身でした。まるーくなった糸状のものがイカの表面に食い込んでおり、ほじくるとウネウネ動く生物が!教科書に載っていたアニサキスがそこに居ました。最近はテレビでも店頭の鮮魚コーナーでもアニサキスには気をつけて食す様に注意喚起されていますが、隅から隅まで確認して食べることは難しいと思います。
私の友人も刺身を食べてアニサキス症になったことがあります。数分ごとに胃を絞るような痛みが続き、二度と経験したくない痛みだったそうです。食べ残った刺身にはまだウネウネ動く白い生物がいてそれを持って救急に駆け込み、胃カメラでアニサキスを取ってもらったそうです。取ってもらったアニサキスは小瓶に入れて大事に持って帰ってきており、私も見せてもらいました。
腹部超音波検査でも胃の壁肥厚と虫体が観察することができると学んだことがあります。生ものを食べ胃痛で来院した患者さんの検査をしたことがあり、虫体は描出することができませんでしたが胃壁が浮腫性に肥厚し、少量の腹水も観察されアニサキス症が疑われました。その患者さんも体をまっすぐに出来ないほどの痛みで、改めて恐ろしいと感じた経験です。皆様もお気をつけください。