第46回 原点回帰、検査って何のため?

<第45回> 2021年5月10日 S.A

「臨床検査技師」である私たちは日々検査を担当しています。
通常、医師や歯科医によって診察がおこなわれ、そこで診断や治療に必要と判断された検査項目の依頼をうけて検査を行っているわけです。
特に私たち生理検査センターで担当する検査業務は「生理検査」と呼ばれるもので、検査技師が担う業務の中でも直接「人」を対象にして実施する検査になります。
※詳細は「臨床検査技師等に関する法律」参照

当たり前のことですが、検査には必ず目的があります。
診断のため、治療方針決定のため、重症度や治療効果判定のため、はたまた他の疾患を否定する場合などにも検査は用いられます。「Aという検査で100という結果が出たからAAという疾患です」となれば話は早いのですが、人間の身体というのは教科書通りにいかないことも多く、疾患によっては「AでもBでもCでもないからDという疾患の可能性が高いです」というタイプもあるのです。

診察室での問診のみで診断や治療効果判定などが可能なのであれば、もちろん検査は不要です(問診が何より最重要視される疾患もあります)。しかしながら、身体の中で起きている事象と言うのは表面から見ても判らない面も多く、その場合は各種検査をおこない、問診だけでは把握できない部分の情報を得る必要が出てくるのです。診察を受けると「まず、検査をしてみましょう」と言われることが多いのはそのためです。

もしご自身が検査を勧められた際、主治医からその目的「~のため」の説明がなかったらぜひ尋ねてみてください。
実を言うと、検査によっては患者さんの協力がとっても重要になる項目もあります。もちろん検査時にも説明は行いますが、検査の内容だけでなく、その目的も知っておくとより安心して検査を受けていただけるのではないかと思います。