第29回 水について考えよう

<第29回> 2019年8月5日 M

 みなさんは「水」について、深く考えたことはありますか?蛇口をひねればすぐにでてくるとっても身近な水ですが、いったいどういう経路をたどって私たちの生活と関わっているのでしょう?そして、私たちの体にとっていったいどういう影響を与えているのでしょう?今回は「水」について考えていきたいと思います。
 私たちの生活で最もかかわりの深い水といえば水道水です。水道水は、各地域の浄水場から各家庭に水道管を通して供給されます。日本の水道水は世界一安全と言われており、51項目もの非常に厳しい水質基準が設けられています。水道水が飲める国というのは世界で15か国しかないと言われているので、日本に生まれてよかったなと思いますよね。
 しかし、内閣府が行った世論調査によると、「水道水を直接飲む」という人は全国で37.5%と、およそ1/3の人たちしかいません。その他2/3の人たちは、「浄水器を通して飲む」「ミネラルウォーターを購入して飲む」など、水道水より手間や金額のかかる方法で水を摂取している事がわかりました。世界一安全と謳われている日本の水道水を直接飲まない人がこんなにも多い理由とはなんなのでしょうか?

 その理由は、大きく分けて3つあります。まず1つ目は、トリハロメタンです。トリハロメタンは微生物を殺菌するために投入される塩素から発生する発がん性物質です。摂取することは望まれませんが、水道水には必ず含まれています。
 2つ目は水道管です。日本の水道管は戦後急速に普及率が高まり、現在の水道管普及率は97.6%と非常に便利になっています。しかし、設置後の手入れはどうなっているか考えたことはありますか?….ぜひ、「水道管 写真」でGoogle検索をしてみてください。
 3つ目は貯水タンクです。これについても多くは語りませんが、みなさんぜひ一度はお住まいのマンション等の貯水タンクを見てみることをお勧めします。貯水タンクまで手入れが行き届いているお住まいだといいですね。

 上記のような理由で、最近は家庭でも浄水器やウォーターサーバーを設置しているという人が増えていると考えられます。わたし個人的には浄水器の設置をダントツでお勧めします。水質も手間もコスパも最高です。ちなみに、水道水を煮沸するという手段もよく聞きますが、お勧めできません。前述したトリハロメタンを除去するためには30分以上煮沸しなければならなく、そんなガス代はもったいないし、そもそもその間に蒸気になってなくなります。

 いかがでしたでしょうか?普段何気なく口にする水だからこそ、質にはこだわりたいなと思います。みなさんが水について考えるきっかけになれれば幸いです。


参考:一般社団法人 日本アクアソムリエ協会HP
   公益財団法人 水道技術研究センター HP
   内閣府 世論調査