第21回 Coffee片手に健康を考える

<第21回> 2018年12月11日 T.Sugar

 紅葉していた木々も散り始め、寒さが一層強まり、冬の訪れを感じる季節となりました。それと同時にあたたかいコーヒーが手放せなくなる季節にもなり、少しだけコーヒーのお話をしたいと思います。

 コーヒーのブームにはいくつかの“波”があります。
 流通が広まり、コーヒーが広く親しまれるようになった《ファーストウェーブ》。
《セカンドウェーブ》は某シアトル系のコーヒーチェーンに代表されるように深煎りの高品質な豆を使ったコーヒーが流行り、カプチーノやカフェオレあるいはアレンジを加えたコーヒーが広まりました。
 そして2010年代からの《サードウェーブ》の特徴は、スペシャリティコーヒー(流通量の5%)を使用し、産地・農園・処理方法・焙煎(焙煎者)等が明確になっている事、そして何より“シングルオリジン”つまりはブレンドではなく単一の豆で抽出したコーヒーを飲むことが挙げられるでしょう。そのため焙煎加減も豆によって変わりこれまで広く飲まれてきた深煎りのコーヒーに加え“中煎り”や“浅煎り”といった紅茶やワインのような香りや酸味を持ったより豆の個性を感じられるコーヒーが飲まれるようになりました。

 こうして現在まで私たちの中に広まっているコーヒーですが、味わいだけでなく健康に対する効果も研究が進んでいます。
 コーヒーにはパーキンソン病や糖尿病、肝臓病の予防効果があるとされその効果について注目されています。特に糖尿病に関して言えば、2005年から2018年の報告でコーヒーを飲んでいる人は、飲んでいない人あるいは少量飲む人(0杯または<2杯)に比べ糖尿病の発症リスクが2〜3割少ない事が示されています。最近の研究ではコーヒーの中に含まれるクロロゲン酸が2型糖尿病に関連する膵臓のβ細胞に作用しインスリンシグナルが活性化する報告もなされました。コーヒーの健康へのメリットに関しては明らかではあるもののまだ研究段階の事も多くありますが、今後コーヒーのより有益な効果が明らかになる事を期待されています。

 最後に、コーヒーは健康へのメリットの一方でもちろんデメリットもあるので摂取量などには気をつける必要があります。もしかしたら、美味しいコーヒーを飲むとどうしても甘いものと合わせたくなってしまうのもある意味では一番のデメリットかもしれませんね…。

(参考)
全日本コーヒー協会ホームページ